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おとうさんはプログラマ その1 〜アイちゃん、プログラムのせかいを知る〜

アイちゃんは好奇心旺盛(こうきしんおうせい)な女の子。
ある日、アイちゃんはおとうさんのおしごとにきょうみをもちました。

「おとうさん、おとうさん」
「ン? アイちゃん、なに?」
「おとうさんのおしごとって、プログラマなんでしょ?」
「うん、そうだよ」
「プログラマってどういうことするの?」
「そうだね。たとえば、パソコンやスマートフォンでうごくアプリケーションを作ってるんだ」
「へぇ。どうやって作るの?」
「むずかしいこと聞くね。プログラムというのを書くんだけど・・・。う〜ん、どうやってお話したらわかりやすいかなぁ」

その時、おとうさんはゆかにころがるオモチャのロボットに気づきました。

「よし、おてつだいロボットを作ることを考えてみようか」
「おてつだいロボット?」
「うん。おてつだいロボットにやってほしいことをつたえるプログラムを考えてみよう」
「何をしてもらおうかなぁ」
「じゃあ、カレーを作ってもらう方法(ほうほう)にしよう」
「あれ? 『カレーを作って!』じゃだめなの?」
「おてつだいロボットはカレーを知らないよ。それに、料理(りょうり)のやり方も知らないよ」
「え〜」
「何にも知らないあかちゃんみたいなものなんだ。だからやることをぜんぶ教えてあげないといけないよ」
「じゃあ、カレーの作り方をじゅんばんに教えてあげるといいの?」
「そうだね。やってみようか」

そう言って、おとうさんはかみをつくえの上に広げ、その上にえんぴつをおきました。

「ここに、ロボットにやってほしいことを書いてみよう」
「うん」

アイちゃんはちょっと考えて、紙にやってほしいことを書きだしました。

「できた!」
「見せて見せて」
ざいりょうを切る
にる
カレーのルーを入れる
おさらにごはんを入れる
ごはんにカレーをかける
「おてつだいロボットの気もちになって考えてみようか。『ざいりょうってなんだろう』っと思わないかな」
「え? それも教えてあげないといけないの?」
「そうだよ。おてつだいロボットは何も知らないから」
「う〜ん。じゃあこんなかんじかな?」
にんじんを切る
じゃがいもを切る
タマネギを切る
おにくを切る
にる
カレーのルーを入れる
おさらにごはんを入れる
ごはんにカレーをかける
「どうやってにるのかな?」
「あ〜、『にる』じゃロボットさんはわからないのかぁ。じゃあこれならどうかな」
にんじんを切る
じゃがいもを切る
タマネギを切る
おにくを切る
ナベにざいりょうを入れる
ナベに水を入れる
火をつける
カレーのルーを入れる
おさらにごはんを入れる
ごはんにカレーをかける
「そうだね。もっとおいしいカレーを作るために、ちょっと書きかえていいかな?」
「うん。いいよ!」
にんじんを切る
じゃがいもを切る
タマネギを切る
おにくを切る
火をつける
ナベにざいりょうを入れる
いためる(やく)
ナベに水を入れる
カレーのルーを入れる
おさらにごはんを入れる
ごはんにカレーをかける
「なんか、おかあさんのお料理(りょうり)の本みたいになってきたね」
「そうだね。でも、おてつだいロボットは、おかあさんみたいに料理(りょうり)のことを知らないから、もっとやり方をおしえてあげないといけないんだ」
「え〜、もっとなの?」
「うん。たとえばこんなかんじ」

おとうさんがつぎつぎを書いていくのをアイちゃんは目を丸くして見ています。
かわむききをじゅんびする
ほうちょうをじゅんびする
まないたをじゅんびする
ボウルをじゅんびする
ナベをじゅんびする
オタマをじゅんびする
にんじんを切る
じゃがいもを切る
タマネギを切る
おにくを切る
コンロにナベをのせる
火をつける
あぶらを入れる
ナベにざいりょうを入れる
いためる(やく)
ナベに水を入れる
まつ
カレーのルーを入れる
こげないようにかきまぜる
おさらをじゅんびする
すいはんきをひらく
おさらにごはんを入れる
すいはんきをとじる
ごはんにカレーをかける
「うわぁ、たくさんあるねぇ」
「もっとくわしく書けるけどとりあえずこのぐらいにしておこうか」
「えっ!まだ足りないの?」
「うん。ぜんぜん足りないよ」
「ええっ!」
「たとえば、ほうちょうがどこにあるのか教えてあげないといけないし、ほうちょうが引き出しに入っているなら引き出しのあけ方も教えてあげないといけないんだよ」
「ロボットって頭がいいって思ってたんだけどちがうんだね・・・」
「うん。頭がいいようにみえるのは、そういうふうにプログラムされているからなんだ」
「そのプログラムを作るのがプログラマのおしごとなんだね!おとうさん、すごい!」

おとうさんは、心の中で大よろこびしているのをアイちゃんに気づかれないように言いました。

「プログラムでは、こうやっておてつだいロボットにおねがいをしていくんだけど、このひとつひとつを『命令(めいれい)』っていうんだ」
「『命令(めいれい)』ってなんかえらい人みたいだね」
「たしかに、人にいうとこわいことばにきこえるね。こういう『命令(めいれい)』をたくさんあつめてプログラムを作るんだよ。せっかくだから、プログラムがどういうものかつづきをやってみる?」
「うん!」
「よし!その前にちょっときゅうけい!」

(つづく)

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