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2007年01月 アーカイブ

2007年01月05日

疑問:なぜPDF版JIS規格書は高価な冊子版と同額であるのか

随分と前の話ではあるが、JavaScriptの可能性と自分のスキルを探るために、何か面白いアイディアがないかと、ふとJIS規格を検索してみた。色々と調べてみた結果、JISCというサイトでPDF(印刷不可:以下閲覧用PDF)が閲覧可能で、JSAというサイトで冊子かPDF(印刷可能?:以下購入用PDF)が購入できるらしい。「何故別機関のサイト?」という疑問が湧く。さらに調べてみると、どうも経済産業省の『日本工業標準調査会(JISC)』という機関が策定し、財団法人(公益法人)である『日本規格協会(JSA)』から規格書が発行されるということらしい。色々な規格が定義されており、なかなか面白いので、興味のある方は一読してみてはどうだろうか。
ここまでは普通の話。ここからが今回の本題。規格番号JISX0303の『性別コード』の規格について、上記の両サイトで検索を行なった時にあることに気がついた。内容は何のことはない『男は△で女は□とします』程度の規格書で、JISCで閲覧すると1ページ、JSAでは4ページ(表紙付?)となっている。冊子の購入には367円(税込)が必要だ。高いかなと思うが、事務手続きや送料を考えると許容範囲内かもしれない。ただ、購入用PDFの値段をみると、冊子と同じ367円(税込)となっている。他の規格書も同様のようだ。システム系技術者にはお馴染みのOSI参照モデルは和文版・英訳版があり次のようになっている。
    和文版:開放型システム間相互接続の基本参照モデル
        1995円(93ページ)
    英訳版:Open Systems Interconnection -- Basic reference model
        17010円!!(103ページ)
    (参考:閲覧用PDFは83ページ)
この値段は冊子の値段であるとともに購入用PDFの値段でもある。紙代・印刷代・送料の一切かからないはずのPDFがである。他にも腑に落ちない部分も発見した。
    規格書には著作権があり複製や転載が無断では不可能である。
    購入用PDFには全ページにウォーターマーク(つまり電子透かし)が追加される。
    ウォーターマークには購入者情報が埋め込まれる。
JIS規格は、各産業界の企業間や技術者間で、各技術に対する共通認識を持たせるための土台ではないのかと私は考えているのだが、これは間違いなのであろうか。
規格の乱立を防ぐための役割を担うとも考えているのだが、これも間違いなのであろうか。閲覧用PDFの印刷が不可能であったり、購入用PDFの複製・転載が不可能であるというのは、私には理解できない。
(上記の性別コードを実際のコードではなく△や□で表現したのはこの為。)
そして、購入用PDFが高価な冊子と同額であるというのは信じがたい。新技術等の規格化の際に、日本が立ち後れてしまい、他国の後を追ってしまっている現状がなんとなく理解できたような気がする。
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