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Web Paymentsの仕様を調べてWeb Intentsに思いを馳せる

Safariが次期バージョン11.1でWeb Paymentsに対応するらしい。
Chrome/Firefoxも対応済み、Edgeも基本機能は対応していて、Web Paymentsが本格的に普及する日も近いのかもしれない。

Web Paymentsとは何か。
ユーザ視点でみると、Web Paymentsを採用しているサイトでは、サイトにクレジットカード等の情報を渡さなくてもブラウザやOSが支払いを代行してくれる。
技術者視点の記事は次のリンク先を参照のこと。
ブラウザやOSが支払いを代行するために、支払いの途中でWebのUIからブラウザ/OSのUIに突然遷移する。
この動き、何かに似ていないか。
そう、Web Intentsだ。

Web Intentsは、サイト製作者がサイトの機能の一部機能を他のサイトに丸投げできるような文脈で語られることがあった。
しかし、個人的に注目していたのはWebサイトが決定していた連携先をユーザが決定できるようになるということだった。

Web Intentsでは、動詞に当たるアクションにshare/edit/view/pick/save等を、目的語にデータタイプとデータ本体を指定し、処理を外部サイトに託すことができた。
極簡単な記述で実現できたため、Web製作者にはサイト制作の簡素化、ユーザにはサービス選択のイニシアティブを得られるという、非常に優れた仕様だった。

過去形で書いたのは、Web Intentsは既にrejectされブラウザからもその機能が削除されてしまっているためだ。
何故、regectされたのか。
その理由は次のリンク先が詳しい。
Web Intentsが抱える問題をどう解決するのかはほとんど議論されず突然rejectされてしまったようだ。
何故、議論されなかったのかはよくわからない。

ただ、ここに上がっているrejectの理由は、ほぼ全てWeb Paymentsにも当てはまるんだよね。
同じような問題を抱えてるにも関わらず、Web Paymentsはrejectされず、Web Intentsはrejectされてしまった。

Web Intentsがrejectされなかった未来を考えてみる。

OpenID+OAuthの動作の一部をWeb Intentsが肩代わりして、version2でアクションに認証(Authentication)と承認(Authorization)が定義され、ログイン方法がもっと多彩になってていたんじゃないか。
PayPalのような支払いの挙動+Web Intents v2を統合した、version3でアクションに支払い(Payments)が追加されていたんじゃないか。

Tombloo/Tombfix/TaberarelooのようなAdd-on/Extensionだって、Web Intentsになっていたはずだよね。

しかもWeb IntentsにはWeb Intents AddendumというIoTと連携する仕様があった。
今話題のスマートスピーカーもLAN内の機器との連携にクラウドを経由することなくWeb Intents Addendumで連携していたと思う。
来なかった未来を「たられば」で語っても仕方がないのかもしれない。
でも、Web IntentsがあるWebには自由があった。
Web Paymentsの勧告の前にWeb Intentsを復活させ仕様策定をすべきなんじゃないかとさえ思う。

少なくとも、今の未来よりはWeb Intentsのある未来のほうが僕は好きだな。

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