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マンションと情報のセキュリティについての妄想

今回はかなりえらそうな事を書くことになるが、あくまで妄想なので妄想は妄想として対処して頂きたい。
マンションのセキュリティ
マンションの防犯と言って思いつくのは、防犯カメラとオートロックである。防犯カメラは古いマンションにも設置してあることが多く、入居後にも設置が可能で比較的安価であることが容易に想像できる。オートロックは、インターホンと自動ドア、自動施錠による許可された者しかマンション内に入れさせないシステムであり、私の知る限りにおいては、必ず防犯カメラが併設されている。オートロックは、侵入困難な構造である必要があるが、ほとんどのマンションは侵入できないのではなく、侵入しにくいだけである。これは侵入の困難さを求めれば求めるほど、コストに跳ね返ってくるからだと思われる。壁が多少低くても許容されているのは、ドア以外から内部へ入るものを侵入者と見なせるため、そのような行為を防犯カメラで見張る事で侵入そのものを防止しているからである。内部に侵入して犯罪を犯す事は比較的容易ではあるが、侵入者が誰なのかを特定される事、言い換えると捕まるリスクが防犯の役割を果たしている。『侵入するならここよりも証拠の残りにくいマンションにしなよ』と言うことである。しかし、このようなセキュリティでは、特定の部屋の中にある何か特別な物を狙っているのであれば、あまり意味をなさない。更にいうと、『特定の誰かを殺したい』等と考えており、なおかつ捕まっても良いと思っている侵入者にとっては全く意味がない。このような場合を想定するのであれば、コストを充分かけて本当に侵入しにくい構造にし、仮に侵入されても警備員等が駆けつけるまでの時間を充分稼げるようでなければならない。『目的を果たす前に捕まえてしまう』ような防犯方法である。前者を『回避型』、後者を『保護型』とでもしておこう。一般的な人にとって、名指しで狙われるような状況というのは、ストーカー等の特殊事情を除いてまずありえないので、『保護型』で充分なのである。
情報のセキュリティ
マンションの例を踏まえて情報セキュリティのついて考察をしてみる。結論を先に言うと、徹底的に保護しなければならないような情報は全情報量と比較するとそれ程あるとは思えない。例えば、個人情報や企業の機密事項等を除けば情報流出は対した損害ではない。物とは違い、情報は漏れたとしてもなくなりはしない。情報の入った記録媒体等が全て盗まれたというのなら話は違ってくるが、情報そのものは外部に知られたとしても手元には残る。物の場合は『盗まれる事』と『手元からなくなる事』は直結しているが、情報は『盗まれる事』があったとしても『手元には残る』のである。整理すると、盗まれてはならない情報というのは、『決して外部に知られてはならない情報』となる。家庭内や企業内にある情報が、全て外部に漏れてはならない情報とはとても思えないのだが、現在の情報セキュリティというのは全ての情報を遮断しようとしているように見えてならない。知られる事そのものがリスクであったり、知られると不利益を被ったりしない限り別に問題ないのではないかと思う。本当に重要な情報であれば、備え付けの金庫のように、家庭内・企業内の特定の物にしか触れられないようにしておけばよい。内部では不安というのであれば、銀行の貸金庫のように、情報を守るべく存在するデータセンターがある。必要な部分だけ『保護型』を採用し、後は『回避型』で充分なのではないのか。はたまた、『漏れても手元には残る』という特性を考えると『漏れても良い情報』もあろうかと思うので、このような情報の管理方法を『開放型』と呼ぶとしよう。わざわざ、『開放型』で充分な情報まで、膨大なコストをかけて作った鉄壁のような壁で守る必要があるのだろうか。全ての情報を『保護型』で守ろうとすると、いったいどれだけのコストがかかるのか。本当にそれはかけないとならないコストなのか、熟考が必要な時期が来ているのではないかと思う。
妄想と断った上で暴論を振りかざしてみたが、皆さんはどのようにお考えになられているのだろうか。
2009/03/13 追記
セキュリティを重要視し過ぎた場合に起きる弊害について書き忘れていたので追記する。
マンションの場合、高い塀であればある程セキュリティは高くなるが、高すぎる塀は日常生活に悪影響を及ぼす。陽が当たらなくなるかもしれない。息の詰まるような住環境をさけるため、陽を当てるようにすると、壁から建物を離さなくてはならなくなり、より一層の土地を必要とする。情報に関しても同様に、情報を漏らさないでおこうとするあまり、どれほど動きにくくなるのか。そもそも企業であれば、日常の業務に多大な影響を及ぼすのではないだろうか。情報が漏れるリスクだけでなく、情報が漏れないように努力する際に発生してしまうデメリットも、合わせて考えていくべきではなかろうかと思う。

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