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@new_harizonの喋る言語「Yharian」について

Twitter上に突如出現した@new_harizonが喋る新しい人工言語「Yharian」について考察してみる。
人工言語
人工言語とは、まさに人によって人為的に作成された言語を意味し、自然言語の対局にあたる。エスペラント語は最も有名であろう。ハングル語も人工言語と思われるかも知れないが、これはハングル文字が人工なのであってハングル語はどの系統なのかは定かではない。異色な例ではクリンゴン語もある。人工言語にはコンピュータ言語も含まれるが、ここでは人的コミュニケーション、つまり人と人の意思伝達に用いる人工言語を議論の対象とする。
「Yharian」の文字表記
「Yharian」は昨年末に作成された人類史上一番新しい人工言語で、文字にアルファベットの「y」と「hara」を用いる。「yhara」の5文字ではなく、発音に由来する「y」と「hara」の2種類である点に注意されたい。「y」と「hara」だけなので単純に推測すると2進法で表現する言語ということになる。「y」と「hara」の間にはスペースが入り、文の最後は「.」「!」「?」の何れかの約物をとる。言語的にはモールス信号に近いイメージを持つであろうが、これは正確ではない。モールス信号は「・」と「ー」の組み合わせでアルファベットを表し、生成されたアルファベット群より文章を生成する。しかし「Yharian」は「y」と「hara」で文章そのものを生成するのである。
文字種と文字長
「Yharian」は「y」と「hara」と3種類の約物で構成される事は既に述べた。では約物を除いた2つの表記、「y」と「hara」でどれほどの意思疎通が可能なのであろうか。一般的に文字種が少ない言語は「語彙」を表す単語や複合語が長くなり、表現可能な「語彙」は「文字種の文字長乗」で算出可能である。但し、言語特性によりありえない組み合わせが存在するためこれよりも少なくはなる。クリンゴン辞書(The Klingon Dictionary)には約2000種の語彙が収録されているらしいので、これをもとに「Yharian」の日常会話における必要な文字長を推測すると11文字長となる。しかし、「Yharian」は「hara」を一字とし、区切りにスペースも必要とするため「hara hara hara hara hara hara hara hara hara hara hara」のアルファベット換算で54文字となる。
「Yharian」の意思疎通方法
「Yharian」の解説をここまで行ってきたが、このような変わった特徴をもつ言語で本当に意思疎通が可能なのであろうか。実は「Yharian」では「y」と「hara」の順序等には特に意味を持たない。声の強弱・高低、相手の表情、そして身振り手振り等が特に大きな役割を果たす言語なのである。簡単に言うと「空気を読む」という超高度なスキルを要する。日本語の「行間を読む」スキルよりも遥かにレベルが高い。では何故このような顛末に至ったのであろうか。要するに現時点では「Yharian」は歴史上もっとも文字化に向かない言語という事である。文字化する上で欠落される情報が余りにも多すぎるのだ。
「Yharian」の未来
将来的には「Yharian」表示方法の更なる発展が推測される。これまでのウムラウトやリガチャに代表される合字等は文字の組み合わせに重点が置かれている。発音記号もアクセントまでしか表現できない。音程・表情・身振り・手振りを「y」と「hara」と共に表記する方法が必要なのである。但し、「Yharian」のネイティブスピーカーや研究者はとても少
長いな...。

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